踵とアキレス腱の間が痛い？原因と対策を徹底解説

踵とアキレス腱の間が痛む場合、アキレス腱炎や滑液包炎など様々な原因が考えられます。痛みの原因を特定し、適切な対処法を行うことが重要です。この記事では、踵とアキレス腱の間の痛みの原因、症状、治療法、予防法について詳しく解説します。伊月病院での治療法もご紹介します。

踵とアキレス腱の間の痛みの原因を探る

アキレス腱炎：炎症が痛みを引き起こす

アキレス腱炎は、アキレス腱に炎症が起こることで、踵とアキレス腱の間、またはアキレス腱自体に痛みが生じる状態です。ランニングやジャンプなど、アキレス腱に負担のかかる運動を頻繁に行う人に多く見られます。痛みの度合いは様々で、軽度の違和感から歩行困難になるほどの激痛まであります。

アキレス腱周囲炎：腱を覆う組織の炎症

アキレス腱周囲炎は、アキレス腱を覆っている腱周囲組織に炎症が起こる状態です。アキレス腱炎と症状が似ていますが、痛みの範囲がやや広くなる傾向があります。原因はアキレス腱炎と同様に、オーバーユース（使いすぎ）や不適切な運動フォームなどが考えられます。

踵骨後部滑液包炎：骨と腱の摩擦による炎症

踵骨後部滑液包炎は、踵の骨（踵骨）とアキレス腱の間にある滑液包という組織に炎症が起こる状態です。滑液包は、骨と腱の摩擦を軽減する役割を持っていますが、過度な摩擦や圧迫が加わることで炎症を起こし、痛みが生じます。ハイヒールを履く女性や、硬い靴を履く人に多く見られます。

アキレス腱付着部症：腱とかかとの骨の接合部の問題

アキレス腱付着部症は、アキレス腱がかかとの骨に付着する部分に炎症や変形が生じる状態です。加齢に伴う変化や、長年の負担の蓄積が原因となることが多いです。踵の骨に骨棘（こつきょく）と呼ばれる骨の棘ができることもあります。

痛みの症状を詳しくチェック

痛む場所とタイミング

痛みの場所やタイミングによって、原因をある程度特定できます。例えば、運動後や朝起きた時に痛みが増す場合は、炎症性の疾患が疑われます。また、踵の骨のすぐ上が痛む場合は、アキレス腱炎やアキレス腱周囲炎、踵の骨の裏側が痛む場合は、踵骨後部滑液包炎などが考えられます。

痛みの種類と強さ

痛みの種類や強さも診断の参考になります。ズキズキするような痛みや、刺すような痛み、鈍い痛みなど、痛みの表現は様々です。また、痛みの強さも、日常生活に支障をきたすほど強いものから、我慢できる程度の軽いものまであります。痛みの種類や強さを詳しく医師に伝えることが大切です。

その他の症状

痛み以外にも、腫れや熱感、可動域の制限などの症状が見られることがあります。アキレス腱炎の場合は、アキレス腱を押すと痛みが増すことがあります。また、アキレス腱断裂の場合は、アキレス腱が完全に断裂しているため、歩行が困難になることがあります。

自分でできる応急処置

安静と冷却

痛みが強い場合は、まず安静にして、患部を冷やすことが大切です。冷却には、氷嚢や冷却パックを使用すると良いでしょう。冷却時間は、15分～20分程度を目安に、冷たすぎると感じたら中断してください。

圧迫と挙上

患部を圧迫することで、腫れを抑えることができます。弾性包帯などを使用し、きつく締めすぎないように注意してください。また、患部を心臓よりも高い位置に挙げることで、血液の循環を促し、腫れを軽減することができます。

市販薬の活用

痛みが強い場合は、市販の鎮痛剤を使用することもできます。ただし、市販薬はあくまで一時的な対処法であり、痛みが続く場合は、医療機関を受診するようにしましょう。

医療機関での治療法

伊月病院でのアキレス腱炎治療

伊月病院では、アキレス腱炎に対して、保存療法と手術療法を行っています。保存療法では、安静、冷却、圧迫、挙上などの基本的な治療に加え、理学療法や装具療法などを行います。手術療法は、保存療法で改善が見られない場合に行われます。

体外衝撃波治療（ESWT）

体外衝撃波治療は、患部に衝撃波を当てることで、組織の修復を促す治療法です。アキレス腱炎や足底筋膜炎などの治療に用いられています。副作用は比較的少ないですが、治療後に痛みが増すことがあります。

手術療法

手術療法は、保存療法で改善が見られない場合に行われます。手術の方法は、病状によって異なります。例えば、アキレス腱付着部症の場合は、骨棘を切除したり、アキレス腱を剥離して再固定したりする手術が行われます。

痛みを繰り返さないための予防策

ウォーミングアップとクールダウン

運動前には必ずウォーミングアップを行い、運動後にはクールダウンを行うようにしましょう。ウォーミングアップは、筋肉や腱を温め、柔軟性を高める効果があります。クールダウンは、運動によって疲労した筋肉や腱を回復させる効果があります。

適切な靴を選ぶ

足に合った適切な靴を選ぶことも重要です。靴底が厚く、クッション性の高い靴を選ぶようにしましょう。また、ハイヒールなど、アキレス腱に負担のかかる靴は避けるようにしましょう。

ストレッチで柔軟性を保つ

アキレス腱やふくらはぎのストレッチを日常的に行うことで、柔軟性を保つことができます。ストレッチは、ゆっくりと時間をかけて行うようにしましょう。痛みを感じたら、無理に伸ばさないようにしてください。

まとめ：早期診断と適切なケアで快適な生活を

痛みを放置せずに、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。また、日頃から予防策を講じることで、痛みを繰り返さないように心がけましょう。